中国が2年以上続いたゼロコロナを解除してから数カ月が経過したが、中国経済の内情は想像以上に深刻だった。 日刊ゲンダイの記者に電話をかけてきた東京都在住の中国人業者は、3年ぶりに上海に戻った際に凄まじい光景を目撃したという。賑やかなのは街だけで、上海の港では貨物が激減しコンテナも空っぽだったと話す。 日本の物流大手の管理職も「米欧向けの船が減っていて、積荷がなくガラガラだ」と内情を打ち明けた。日本海事センターによれば、2022年12月の米国向けコンテナ船は-23.6%、欧州向けは-18.9%の激減となってしまった。 中国のSNSでも輸出の注文が消え工場の稼働が激減し、職を失い悲鳴を上げる労働者が増えている様子だ。 数週間前に布路川が中国深圳の港湾のトレーラーがコンテナを全く積まず稼働していない衝撃動画をアップロードしていたが、その件の裏付けとなりそうだ。実際に深圳の塩田港で登録されているトレーラー運転手15,000人のうち、仕事に就いているのはわずか2,000人だという。 米国や欧州からの注文が激減した理由については示されていなかったが、中国のゼロコロナ政策だけが原因なのかについて分析が必要とされる。主要先進国が中国を安全保障上の脅威と捉えると共に、中国を必要としない経済構造に切り替えつつあるのかもしれない。米国は既に中国に半導体関連の輸出を禁じる制裁を科している。 コメント欄では「中国製品はやめておこうという流れは、中国政府自身の傲慢な行動が原因」「コロナパンデミックでサプライチェーンを見直した企業が多い」「内需を拡大してロシア輸出で食っていけばいい」という突き放す意見が目立った。ロシアと共に制裁対象になれば経済は縮小する一方となるだろう。(黒井) 中国“ゼロコロナ終了”も輸出コンテナはガラガラ…遠ざかる「復活シナリオ」に労働者悲鳴(姫田小夏)(日刊ゲンダイDIGITAL)…
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