3月に起きた米国やスイスの銀行危機により、日本円が再び安全通貨としての地位を回復しつつあるとブルームバーグは述べている。 数カ月前までは止まらない円安に当局の支援が必要なほどだったが、今では世界の主要通貨の中で最も好調な状況となっている。モルガンスタンレーやドイツのDWSグループなどの国際金融資本は「日本円が次の大きなトレンド」だとみている。 ここ最近の米FRBの政策転換の予兆により、銀行危機でもドル高に直結しない局面が増えてきた。インフレ潰しという名目で金利をこれ以上引き上げるのは難しい状況だ。 UBSグループのアナリストは「銀行セクターのストレスは米国の優越性を薄れさせ、ユーロと円に恩恵をもたらすだろう」と話しているが、これは銀行危機の当事者の発言なだけに割り引いて見る必要がある。 ドイツ銀行の資産運用部門であるDWSグループの最高責任者は「円は今後1ドル=125円まで上昇するだろう」と予測している。モルガンスタンレーはさらに強気で「120円まで上昇」と目標を設定。 だが円高は日本にとって必ずしもいい話ではない。日銀総裁が黒田氏から間もなく植田氏に交代するが、それに伴い大規模な金融緩和を終わらせる兆候がある。去年12月には黒井総裁がイールドカーブをわずかに緩めただけで日本国債が急落し円は急騰した。すなわち円高は日本の金融機関にとってのダメージをも意味しているわけだ。 ただし三井住友信託銀行の瀬良マーケットストラテジストは「日銀が利上げを行なう可能性は当面考えられない」と話す。三菱UFJ国際投信商品プロモーション部の大島マネジャーも「日本国債の金利が上昇すれば投資意欲は出るかもしれないが、それでも外国へ投資していた資金が急に逆流するのは考えにくい」と述べた。 コメント欄では「1カ月前に円は避難通貨でなくなったという記事を読んだ」「円高でも値下げしないのはどうなのか」と報道…
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【速報】世界「やっぱ日本円が安全。日本円は避難先にふさわしい」
