2023年5月3日、ロシア大統領府に対してウクライナが無人機2機による攻撃を試みたとされる報道があった。しかし、ウクライナ政府関係者はこれを否定しており、攻撃に関与していないと主張している。 この報道について、ロシアの安全保障を専門とする防衛研究所の山添博史氏は「最近謎の破壊工作が見られるので驚きはない」とする一方で、不自然な点が多いとの見方を示した。 例えば、SNSに投稿された映像が現地時間3日未明のものだとされているにも関わらず、モスクワで情報が入ったのは昼である点や、この攻撃がロシアが数日中にウクライナに対して大規模なテロ攻撃を準備している可能性を示唆する報道がある点などである。 また、現在の戦況から見て、今このような攻撃をするメリットはウクライナ側にはないという指摘がある。 ロシア軍が大打撃を受け、各地でも攻撃を受けている状況下で、クレムリンにも攻撃が起きたということなら効果は高いかもしれないが、単発のドローン攻撃でそれほどのことを狙えるとは考えにくいとされている。 一方で、ロシア側は守りに入りたいタイミングだと指摘されている。ロシアが攻めようと準備してきたものが失敗し、ウクライナが攻勢してくるのを待ち受ける状況であり、軍事的な成果をあげにくいタイミングであることから、ロシア大統領府の最大の狙いは、戦勝記念日(5月9日)に恥をかかないようにすることだとされている。 ただ、一方で「敵が悪い」と言いたい動機もあると考えられる。 現時点では、この攻撃についての真相は明らかになっていない。 コメント欄では以下のような意見があった。 「ウクライナのゼレンスキー大統領は先ほど、訪問先のフィンランドで記者会見し、ウクライナによるクレムリンへのドローン攻撃を強く否定している。」 「戦争には実戦と情報戦がある。この事例は情報戦の側面が強い。ウクライナが実際に攻撃した場合、ウクライナ側…
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