岸田首相率いる日本政府が、3年間途絶えていた日韓対話の再開と同時に、厳格化していた半導体関連素材の輸出管理を緩和したことが注目されている。日本政府は、韓国が提示した募集工問題の解決策と引き換えに輸出管理を緩めたとされている。 2019年7月に日本政府が、軍事転用など安全保障上の懸念があるとして、3品目の半導体関連素材の韓国への輸出を許可制とし、管理を徹底する方針を打ち出した。しかし、韓国側はこれを募集工問題に対する報復措置と受け止め、両国関係は冷え込みた。 尹錫悦大統領が就任したことが、日韓関係改善のきっかけとなった。尹大統領は、北朝鮮のミサイル発射や中国の脅威にさらされる北東アジアの安全保障の確立には、米国に加えて日本との協力関係の構築が欠かせないと判断し、岸田首相との外交交渉を進めていた。 韓国側が募集工問題の解決と輸出管理の解除を絡めてきたにもかかわらず、日本政府は当初、「両者には関連性がない」としていた。 ところが、韓国が3月6日に募集工問題の解決策を示したのと同じ日に、日韓は3年間停止していた政策対話を再開することを決定し、その後、日本政府は日韓首脳会談当日の16日に、3品目の対韓輸出管理を緩和すると発表した。 日本政府は「募集工問題とは何ら関係ない」と主張しているが、韓国側が提示した解決策と輸出管理緩和が同時期に決定されたことから、密接な関連性があることは明らかである。 岸田首相は、日韓関係の改善を図ることで外交的な得点を稼ぎたい思惑があったとされ、また、半導体分野において、日本と韓国が対立する状況がフレンドショアリングの形成にマイナスブレーキをかけることが懸念されていたため、今回の判断に至ったとされている。 一方、自民党保守派からは「かなり韓国側ペースに見える」といった不満の声が上がっており、韓国側が幾度となく反日的な姿勢をとるなか、日韓関係は悪化と改善の間を…
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