現在、ロシアのウクライナ侵攻が15カ月目を迎えている。米欧側では、「敗北後のロシアが分裂する可能性」について議論が始まっていると報じられている。「独裁体制が崩壊しない限り、欧州に真の平和は訪れない」というのが米欧側の見方である。一方、ロシアの分析家や政治家によっては、ロシアの崩壊には懐疑的な意見もある。 欧州議会の中道右派議員からなる「欧州保守派と改革派(ECR)」グループは、1月31日にロシアの分裂について、各国の欧州議員やロシアからの亡命者、米国の専門家らを集めて1日がかりの会議を開きた。この会議では、「ロシアの再・連邦化(re-federalisation)」を目指すべきだという趣旨が示された。 「ロシアの再・連邦化」とは、ロシアが国内の多くの自治共和国を事実上の植民地にしていた状態から脱却することを指している。この目的を達成したうえで、より民主的な連邦制に移行することが望ましいとされている。 ロシアを巡る議論は続いており、ロシアの崩壊を予想する声と並んで、逆に「崩壊はありそうもない」という意見も紹介されている。亡命したロシア人政治家やジャーナリストらで構成される「ポストロシアの自由国家フォーラム」は、ロシアがウクライナとの戦争に敗北し、ウラジーミル・プーチン大統領が追放されることを前提に「分裂後のロシア地図」を公開した。 この地図によれば、ロシアは41の共和国に分裂し、それぞれ自由で独立した国家になる姿を想定している。これらの国が改めて、1つの連邦を形成するケースが「再・連邦化」にあたる。 一方、別の専門家によれば、「ロシアの分裂は、ほとんどありそうもない」という見方もある。それは、「西側がロシアの崩壊をほのめかすほど、ロシアの民族主義者たちがプーチンの言説をアピールするため、分裂を望む人々は限られている」という理由からである。 コメント欄では以下のような意見があっ…
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