韓国の統計庁が3月31日に発表した「2023年2月産業活動動向」により、韓国の半導体産業が置かれた危機的状況が露わになった。 愛国日報こと中央日報によれば、鉱工業生産が前年比-3.2%下落。輸出の比率が大きい半導体が-17.1%と特に大きかった。この数字は2008年12月の-18.1%以来となる。前年同月比ではもっと大きく-41.8%急減した。 2008年12月と言えば米国の利上げと政府閉鎖騒動が重なり、株価も奈落の底に落ちていた時期だった。通常年末は株高になるはずが最悪の展開となった。その頃に匹敵するほど今の韓国経済の状況は悪いことになる。 ここ最近輸出の主力となっていたはずの自動車ですら、前月比-4.8%と落ち込んでいるのがさらに痛手だ。北米以外への輸出が伸びていないものと推定される。 また半導体の在庫は前月比で3.9%増加。これは半導体が想像以上に売れない中で、生産量がそのまま在庫として積み増しされている証拠だ。在庫が増えれば増えるほど生産量を減らさなくてはならず、すなわちGDPの低下に直結することになる。 愛国日報は「半導体を除けば輸出は前年同月比で0.8%増えた」などと無理やりいい部分を見つけようとしているが、半導体ありきの韓国経済だったことを踏まえれば無意味な分析と言える。 コメント欄では「1つの分野、1つの企業に頼りすぎだった。それが傾けば国自体が傾く」「大黒柱のサムスンやSKの中国工場をどうするのか」と昔から言われていた韓国経済の懸念事項について述べられていた。「中国の半導体企業SMICが過去最高の増収増益だ」とシェアを中国企業に奪われている実情を暴露する人もいた。(黒井)…
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