5月7日、日本の岸田文雄首相が訪韓し、韓国の尹錫悦大統領と首脳会談を行った。首脳会談後の記者会見で、岸田首相は元募集工問題に関連して、慰労の言葉を述べたことが、尹大統領にとって「助け船」となった。 尹大統領は未来志向の日韓関係を訴える中で、歴史問題が未解決のままでは両国の協力は進められないという考えを示した。岸田首相は、歴代内閣の歴史認識を継承すると表明したが、謝罪や反省の文言には直接触れなかったことが、韓国側からは屈辱的と見なされ、批判を浴びた。 尹大統領は、日本が数十回にわたって謝罪や反省を示したと説得した上で、歴史問題は一方的に要求できるものではないと述べた。 尹大統領は異例の対日観を持ち、日韓関係が和解し、欧州統合の中心となったフランスとドイツのように、日本と韓国もインド太平洋地域の軸として、米国と共に連携を深めるべきだとの考えがある。 しかし、尹大統領の考えは正しいとしても、世論には理解されにくく、支持率は3割台と低迷しており、不支持の理由として「対日関係」が上位に挙げられている。元募集工問題の解決策には、一部原告が受け入れを拒否しており、尹政権への国内の風当たりは厳しい。 総選挙で大敗すれば、尹政権は発足2年で早くも「レームダック(死に体)化」が避けられない。 このような状況から、韓国政府関係者からは、日本側の「助け船」を期待する声が出ており、岸田首相が元募集工に寄り添う言葉を表明したことは、尹政権にとって成果と言える。 岸田首相は、今月後半の先進7カ国首脳会議(G7サミット)への出席を控えており、政権浮揚を図るために、今回の訪韓を含めた外交的な努力を続けている。 一方、野党側は岸田首相が謝罪や反省に直接言及しなかったことを追及しており、東京電力福島第1原発の処理水放出を巡り、韓国の専門家による現場視察団の派遣で合意したが、韓国国民の理解が深まるかは不透明となっ…
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