日本由来のハリウッド製SF作品には、日本人ならではの辛めの先入観を持ってしまうことがある。例えば、17年に公開された「パワーレンジャー」には、戦隊モノでしょ、という思い込みがあった。しかし、実際にスクリーンに向き合ってみれば、背景の世界観と特殊効果の出来栄えといい、一級の作品に仕上がっていたと思う。このように、先入観を持つことは、本来良い作品を楽しむ機会を失ってしまうことになる。日本が誇る人気作品の多くが、海外でも映画化されることがある。その際、原作のファンからは慎重な期待や、反発があることがよくある。例えば、過去には「ドラゴンボール」という作品が、海外の映画製作者によって実写映画化された際、原作ファンからの非難が集まったことがある。しかし、一方で、日本由来のハリウッド製SF作品も多くの人々に愛され、評価されている。その中でも、最近公開された「聖闘士星矢 The Beginning」は、車田正美さんの人気コミックを原作とした作品で、日本のアニメファンにとっては待望の実写映画化作品だった。28日公開の「聖闘士星矢 The Beginning」は、当時のジャンプでも異彩を放っていただけに、今回は実写でどこまであのテイストを出せるのだろうか、という疑問があった。しかし、世界80カ国でアニメ版が放送されたこともあるのだろう、ポーランド生まれのトメック・バギンスキー監督以下スタッフの原作愛は深く、聖衣(クロス)の質感が伝わってくるようにていねいに描写されている。バトルシーンには実写ならではのエッジの効いた工夫も凝らされ、「X-MEN」シリーズをほうふつとさせる仕上がりになっている。主演の新田真剣佑は、幼少期から空手や器械体操で鍛え上げた身体能力が思いっきり生かされている。コスチュームを着けない序盤の生身のファイトにその本領を見た気がする。後半のVFX絡みでも、序盤の迫力があるから表情…
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日本由来のハリウッド製SF作品について
