文春図書館 今週の必読

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「協調性ゼロ」「アメリカ人みたいに詰めてくる」と評判に…“人を怒らせる天才”が日ハムの新本拠地を完成させるまで

『アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち』(鈴木忠平 著)文藝春秋 前沢賢という名前に強烈な印象を持っていた。僕は球団創設以来の熱心なファイターズファンで、世間から「日ハムに関してはあいつに聞…...
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滞在先のカナダでステージ2Bの乳がんが発覚…両胸切除した作家を支えた“乳がんサバイバー”先輩との絆

『くもをさがす』(西加奈子 著)河出書房新社 息をして、ここに生きて存在してくれてありがとう。 私はこの本を読みながら、「ニシカナコ」が、西加奈子が、あなたが、ここにいてくれるということが、どれほどまで…...
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重度障害者の妹にかかる費用のため、両親が安楽死を選び…最後には妹を差し出してしまった「わたし」の後悔

『ギフトライフ』(古川真人 著)新潮社 人口が4000万人まで減少した近未来の日本。そこでは、政府と企業がビッグデータを共有し、各人の属性やふるまいに応じて、「信用ポイント」を付与している。この「信用ポ…...
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「いまどきスポーツカーがうまくいくわけがない」と抵抗されたが…トヨタエンジニアが見せた、サラリーマンの“理想の姿”

『どんがら トヨタエンジニアの反骨』(清武英利 著)講談社 トヨタのエンジニア、多田哲哉と彼のチームが「究極の大企業」の中の障壁をひとつまたひとつと突破し、ついにスポーツカー新「86」(ハチロク)を世に…...
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動物園のゴリラが3歳の子どもを掴んでひっぱり回し…「射殺」という判断は正しかったのか

『ゴリラ裁判の日』(須藤古都離 著)講談社 2016年、アメリカの動物園で一つの事件が起きた。3歳の子供が柵によじのぼり、内側の濠に落ちてしまい、その際、ハランベというゴリラが子供をつかんでひっぱり回し…...
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働いていたスナックが焼失、カード詐欺に手を染め…「自分の居場所を守りたかった」女性(40)が最後に“たどり着いた場所”

黄色い家』(川上未映子 著)中央公論新社 川上未映子さんの小説にはページ数と、読んで感じる「速さ」との比例関係は存在せず、むしろ、ストーリーが進むほどに目と指はきびきびと動く。長編作品ほどに、錫(すず)…...
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他者の家や職場に入り込み…「居候」とはどんな存在か? 「共生」を強いられる私たちの理想的な生き方

『食客論』(星野太 著)講談社「仲間(カンパニー)に数え入れられることのない無数の食客たちが、いつも自分たちの傍らで生を営んでい」る。そのことを私たちはいつしか忘れてしまったのだ、と著者は言う。 本書は…...
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「普通の頂上だった」弱冠25歳で誰も登頂したことのない山を制した登山家が“山をやめてしまった”ワケ

『酔いどれクライマー 永田東一郎物語 80年代ある東大生の輝き』(藤原章生 著)山と溪谷社 登山に詳しくない人には無名の登山家、永田東一郎氏の物語。中学時代に登山に出会い、都立上野高校山岳部、1978年…...
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「夜、コンビニでバイトしている」刀匠は無給が当たり前…師から弟子に受け継がれる伝統職人の“意外な現状”

『師弟百景』(井上理津子 著)辰巳出版 落語家も師弟制度で成り立っている。俺も昭和62年、三遊亭圓丈に入門した。それからさまざまな師弟関係を見てきたが、この本で描かれるそれは全く別物である。想像していた…...
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「こんな恥ずべきことを、いつまで続けるのか」家畜窃盗、無免許運転にひき逃げ…日本で道を踏み外したベトナム人たちの“実態”

『北関東「移民」アンダーグラウンド ベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪』(安田峰俊 著)文藝春秋 昨冬のある日、群馬県前橋市で仕事のあと、夕食の場所を探して駅前のベトナム料理の店にふらっと飛び込んだ。…...
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「父親は大便を食わされ衰弱死」「ミキサーで砕き、大鍋で煮込み、遺棄する手伝いをさせられ…」生き延びた17歳少女の“衝撃の証言”

『完全ドキュメント 北九州監禁連続殺人事件』(小野一光 著)文藝春秋 もう、やめてくれっ――。私は息を詰め、ページを繰りながら、幾度こう叫びたくなったことか。 日本犯罪史上最凶最悪のサディストにして詐欺…...
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「マスク着用など馬鹿げたこと」「デルタ変異株なんか信じるな」反ワクチン・陰謀論には“宗教の復興”が影響していた

『逆襲する宗教 パンデミックと原理主義』(小川忠 著)講談社選書メチエ 未曽有のパンデミックが人類に牙を剥いたとき、私たちはどう立ち向かったのか。中世なら、人々はひたすら加持祈祷にすがり、国家が造立した…...
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ディズニーランドと天皇制の共通点とは…次々と異様な議論や“たとえ話”を出す「ぶっ飛んでいる」本の魅力

『普通という異常 健常発達という病』(兼本浩祐 著)講談社現代新書 わけあって、3年ほど前から、発達障害(主にADHD:注意欠陥多動性障害)について取材しているのだが、あまりにわかりにくい概念で呆れる。…...
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「映画のセリフをしゃべる」「くしゃみを真似する」…言葉を話す鳥“ヨウム”と姉妹が過ごした40年

『水車小屋のネネ』(津村記久子 著)毎日新聞出版 ヨウムとはなんぞや。この歳になっても知らない言葉は多い。ビスケットに砂糖がついたお菓子をヨーチと呼ぶことも、近年知ったばかりだ。「ヨウ」つながり(音のみ…...
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「これが本当にあったことだなんて」自ら志願してアウシュヴィッツ収容所に投獄された男の“命懸けのミッション”

『アウシュヴィッツを破壊せよ 自ら収容所に潜入した男』上(ジャック・フェアウェザー 著/矢羽野薫 訳)河出書房新社 あのアウシュヴィッツ収容所に自ら志願して投獄された男がいた……? 人類の歴史の中でも特…...
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「性犯罪者の伜、中卒、正規の職歴はないかわりに前科は有り」男はなぜ“負の生涯”を送った作家にすがりついたのか

『蝙蝠か燕か』(西村賢太 著)文藝春秋 人生というのは迷いの多いもので、時折、「自分はいったい何の為に生きているのか」なんてことを考えて答えが見つけられず悩む人は少なくないように思う。それに対して、10…...
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「本を大切にする」ってどういうこと? ソウルの書籍修繕家が本に残された“落書き”を消さないワケ

『書籍修繕という仕事 刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる』(ジェヨン 著/牧野美加 訳)原書房「本を大切にしないなんて、文筆家失格」「物書きとしてはモグリ」などの言葉が私のツイッターアカウン…...
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若者は共産党が「保守」だと思っている…最近の日本における「保守」「リベラル」って何?

『日本の保守とリベラル 思考の座標軸を立て直す』(宇野重規 著)中公選書「革新政党」も「進歩的」も今や昭和の遺物、死語だ。令和ではこれらを「リベラル」と呼ぶ。昔、娘の恋愛に寛容なパパを「リベラルな」と形…...
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植物状態で寝たままの母から乳をもらって育ち…「母はかわいそうじゃない」少女が伝える“生のあり方”

『植物少女』(朝比奈秋 著)朝日新聞出版 呼吸音だけがかすかに響く静謐な病室。それが、朝比奈秋『植物少女』の主な舞台である。 主人公の美桜(みお)は、祖母と父と暮らしている。母は美桜を出産した際に脳出血…...
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目立った産業がなく、観光要素は少ないのに…千葉県流山市が「6年連続で人口増加率日本一」の街になれたワケ

『流山がすごい』(大西康之 著)新潮新書 千葉県流山市。つくばエクスプレスの開通によって人口が増え続け6年連続で人口増加率日本一となった街の物語である。 筆者の大西康之氏は、元日本経済新聞の編集委員で流…...
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向田邦子と村上春樹に意外な接点が…「無類の本好き」が見せてくれる、本と本がつながる“快感”体験

『水 本の小説』(北村薫 著)新潮社「本の小説」と副題にあるのを頭に読み始めると面食らうかもしれない。ここには恋愛も殺人もない。膨大な固有名詞が次々と目の前に現れるという意味の「本の小説」だ。そして、そ…...
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「殺人事件じゃねぇかみたいな」小道具の人骨を現地の警察が見つけ…「川口浩探検隊」関係者が語る“裏側”

『ヤラセと情熱 水曜スペシャル「川口浩探検隊」の真実』』(プチ鹿島 著)双葉社「川口浩探検隊」を読者は覚えているだろうか。俳優・川口浩が隊長となってジャングルや洞穴に謎の生物や未開の部族を探しに行く「水…...
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「『難しい言葉』を排除しようという方向に…」現代人が“上級語彙”を使う文章をスラスラ読めないワケ

『教養としての上級語彙 知的人生のための500語』(宮崎哲弥 著)新潮選書 本書は「私は若い頃から単語帳を作るのが好きだった」と始まる。続いて『語彙ノート』という名の単語帳の写真が掲載されている。宮崎哲…...
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「政治家以外にはなれそうもない人」が親の後を継いで政治家に…どうして日本人は“世襲議員”を選ぶのか

『世襲 政治・企業・歌舞伎』(中川右介 著)幻冬舎新書 先頃、安倍晋三元総理の実弟にあたる岸信夫元防衛大臣が議員辞職を表明する際、「このあたりで信千世(長男)に譲りたい」と述べて、さすがに批判を浴びた。…...
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「M-1で笑えない」「同調圧力のニオイ」4分間で勝ち負けをつける競技に立ち向かう芸人たちの“苦悩とリアル”

『笑い神』(中村計 著)文藝春秋「M-1」で笑えない。 ここ数年、お笑いの内外から、そんな声を聞く機会が増えました。「M-1」と漫才は別物です。4分間で勝ち負けをつける。その時点で競技である以上、勝つた…...
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「復興ってなぁ、明るく楽しくやるもんさ」多数の死者が出た大火事を逆手にとって…“日本一の臆病者”が挑戦する復興事業

『江戸一新』(門井慶喜 著)中央公論新社「もはや復興にあらず、すなわち過去(むかし)の栄華を取り戻すことにあらず。……100年先の末裔(まつえい)へと健やかな江戸を贈ることにあり」 本書の主人公、〈知恵…...
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1年前に殺人事件が起きた踏切を調べる記者…「幽霊としか思えない現象」に遭遇した時、メディアはどんな対応をするか

『踏切の幽霊』(高野和明 著)文藝春秋 読者を興奮の渦に叩き込んだ傑作『ジェノサイド』から11年、待ちに待った高野和明の新刊である。 だがその印象のままページを開くと背負い投げを喰らう。確かに『ジェノサ…...
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「これまで自分の役を自分で選んだことは一度もない」俳優・山崎努が生涯で初めて選んで演じた「役」とは

『「俳優」の肩ごしに』(山﨑努 著)日本経済新聞出版 世間は若い才能が好きだが年を経て「劣化」するのを見るのは嫌いだ。あまりに嫌いだからそれはもう呪いになり「経年したら劣化する」と思い込んでしまっている…...
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「半年間で体重が20キロも落ちていた」非人道的な入管と、人を集められない技能実習制度…日本が抱える大きな“矛盾”

『ボーダー 移民と難民』(佐々涼子 著)集英社インターナショナル 2021年3月、名古屋の入管施設に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんが死亡した事件は記憶に新しい。留学生だったウ…...
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130人もの子どもを本当はどこに連れ去ったのか…ハーメルンの「笛吹き男」の“驚きの正体”

『「笛吹き男」の正体 東方植民のデモーニッシュな系譜』(浜本隆志 著)筑摩選書 書名の「笛吹き男」の括弧は、絵本や教科書などを通じて私たちもよく知る、1284年にドイツのハーメルン市で130人もの子ども…...
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出会い系バーで出会った男と「2度目に会ってホテルに…」二重生活が“元子役の27歳既婚女性”に与えた影響

『憐憫』(島本理生 著)朝日新聞出版 27歳。今から振り返れば若く不安定で、そのかわりに如何様にも変化し得るしなやかさがあった。仕事や街によっては既に成功を掴んでいる者がいるだけに、諦めや惰性を感じる者…...
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「行かないではいられない」国家の密偵として西域に潜入、終戦後も各地を渡り歩き…第三者視点で書き直す“旅の記録”

『天路の旅人』(沢木耕太郎 著)新潮社 西川一三の『秘境西域八年の潜行』は、戦中に密偵として西域に潜入し、終戦後もインド、ヒマラヤを渡り歩いた稀有な記録である。あの本を読んだ時の興奮は忘れられない。それ…...
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「突然膵臓がんと診断され、そのとき既にステージは4bだった」今は亡き作家による“最後の日記”

『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』(山本文緒 著)新潮社 山本文緒さんが亡くなって1年余りが経つ。家族とごく親しい人たち以外には伝えられていなかったという病については私ももちろん知らず、突…...
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下層階級、人生の落伍者、犯罪に手を染めた者…「間違った選択」をした中年男性たちの“希望と後悔”

『彼女は水曜日に死んだ』(リチャード・ラング 著/吉野弘人 訳)東京創元社『彼女は水曜日に死んだ』は、海外ミステリーの邦訳を牽引する東京創元社より刊行され、収録作の1つが英国推理作家協会選出の最優秀短編…...
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「フェアじゃない、美しくない」状態を放っておけない女性の一生を描く…朝ドラ的小説の“予想外すぎる仕掛け”とは?

『なんとかしなくちゃ。 青雲編』(恩田陸 著)文藝春秋 小説家は登場人物の名前をどうやって決めるのだろう。取材で聞くと、友人知人の名前をもじったり、電話帳から探したりとそれぞれ苦心している。口を揃えるの…...
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「息子に殺されそうになったことも」12人の子どものうち6人が統合失調症…精神医療の道を拓いた“ある家族”の物語

『統合失調症の一族』(ロバート・コルカー 著/柴田裕之 訳)早川書房 12人の子どものうち、息子6人が統合失調症の診断を受けた米国コロラド州の一家、ギャルヴィン家の物語である。本書は現代も続く隔離や拘束…...
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「切り裂きジャックに殺された5人は売春婦」とされてきたが…100年以上経った今明らかになる、女たちの“驚きの真実”

『切り裂きジャックに殺されたのは誰か』(ハリー・ルーベンホールド 著/篠儀直子 訳)青土社 自分がこうだと思い込んでいたものが実は違ったと分かった時、驚きとともに、なぜそこを疑いもせず過ごしてきたのか不…...
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月に2回、家を掃除しに訪れる美人に焦がれ…“低所恐怖症”の作家が暮らす「674階建ての超巨大タワー」で何が起きていたのか

『タワー』(ペ・ミョンフン 著/斎藤真理子 訳)河出書房新社 そうそう、これだよ、わたしがSFで読みたかったものは! と膝を16ビートで連打してしまった。 舞台は、50万人が住む674階建ての超巨大タワ…...
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会えるのは週に一度「母親が団地で男と密会しているとき」だけ…自由に愛し合えない少女二人の“はかない関係”のゆくえは

『光のとこにいてね』(一穂ミチ 著)文藝春秋 少女から大人になるまで。長きに渡る二人の女性の愛の物語だ。裕福な家に育ち私立の小学校に通う結珠(ゆず)とシングルマザーの母親と暮らす果遠(かのん)は、7歳の…...
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なぜ「です・ます」で論文を書いてはいけないのか? 論文を却下されてしまった哲学者が導き出した“答え”とは

『日本語からの哲学 なぜ〈です・ます〉で論文を書いてはならないのか?』(平尾昌宏 著)晶文社 副題「なぜ〈です・ます〉で論文を書いてはならないのか?」は、〈です・ます体〉で書いた論文が却下された時に著者…...
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「警察が動かないからおれが動く」10年前に娘を殺された父親の“執念の炎”…容疑者は3人、真犯人は一体誰なのか

『リバー』(奥田英朗 著)集英社 奥田英朗の著作一覧を見ていたら、1999年の『最悪』が第2作、2001年の『邪魔』が第3作であることに気がついた。この2作、うかつなことに、ベテラン作家の作品とばかり考…...
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運動が苦手で虫を怖れる息子、夫は「舐められたら生き残れない」と…子育ての中で生まれた夫婦間の“深い断層”

『かんむり』(彩瀬まる 著)幻冬舎 誰からも自分の身体を侮辱されず、脅かされずに生きたい。それが「私」、加々見光(かがみひかる)の人生の願いである。光は大柄で骨太に生まれたが、「このどこもかしこも張り出…...
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女子小学生に「性的接触」の疑い…児童福祉の専門家を変えてしまった“理性を超える感情”の正体

『フィールダー』(古谷田奈月 著)集英社 社会正義の実現のために生きてきた者が、自身のなかにそれと背馳する熱情を発見してしまったらどうするべきか。あるいは自身が属する組織のなかに、みずからの信条と相容れ…...
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くすぶり続けていた棋士と現王座、同期2人による因縁の対決の決着は…棋士にしか見ることの許されない“対局の景色”

『覇王の譜』(橋本長道 著)新潮文庫 小説はクオリアによって組み立てるもの、というのがわたしの持論である。クオリアとは、生物が体中の感覚器官によって物理現象を感知、情報処理する過程で立ち現われる感覚のこ…...
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「『思いやり』は何の解決策にもならない」LGBTQの人々を傷つけないために…“SOGIハラ”を防ぐ社会の枠組みを考える

『差別は思いやりでは解決しない ジェンダーやLGBTQから考える』(神谷悠一 著)集英社新書 拙著『珈琲店タレーランの事件簿7 悲しみの底に角砂糖を沈めて』の中で、ゲイカップルの話を書いた。文庫にして1…...
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