NRI研究員の木根尚登氏の最新記事だよ。 ロシア国債がデフォルト認定:金融市場への影響は限定的もロシア経済には大きな打撃に 6/2(木) 12:52配信 NRI研究員の時事解説 クレジットデリバティブ決定委員会がクレジットイベント(信用事由)の判断 デリバティブ(金融派生商品)市場を監督する業界団体、EMEA(欧州・中東・アフリカ)クレジットデリバティブ決定委員会(CDDC)は6月1日に、期限を迎えた外貨建てロシア国債の利子約190万ドルが、猶予期間内に支払われなかったことについて、それがクレジットイベント(信用事由)に該当し、ロシア国債はデフォルト(支払い不履行)に相当すると認定した。 対象となったのは、4月4日に支払い期限を迎えたドル建て国債の利払いである。米国政府は、対ロシア制裁の一環で、ロシア政府が米銀に保有するドル準備を使って米国投資家に債務返済をすることを4月4日に禁じた。そこでロシアはルーブルでの支払いを余儀なくされたが、ロシアは30日間の猶予期間が切れる前の4月末に、国内で保有するドル準備で利払いを行い、デフォルトをなんとか免れていたと考えられていた。 ところがこの際に、約190万ドルの利払いが履行されなかったとして、投資家が、クレジットイベントに該当するかどうかの判断を委員会に要請していたのである。 さらに、5月25日には、米銀がロシア政府の債務返済の手続きを仲介することを認める例外規定を米財務省が失効させたことで、この先に期限を迎えるドル建てロシア国債の利払いをロシア政府が履行する道は閉ざされた。 CDS発動も金融市場への影響は限定的 今回のロシア政府の190万ドル分の不払いが、クレジットイベント(信用事由)、デフォルトに相当すると判断されたものの、ロシア国債すべてをデフォルトとみなすクロス・デフォルトとはならない。ロシアの外貨建て債務は、7,500万ド…
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