俳優の瀬戸康史(33)が25日公開の主演映画「愛なのに」(城定秀夫監督)で女子高生に求婚され、戸惑う古書店の店主を演じている。「愛がなんだ」など恋愛映画に定評のある映画監督の今泉力哉氏(41)が脚本を手掛けるラブコメディー。趣味が多様化した現代社会を象徴するように登場人物の感情が複雑に交差する恋もように、「お客さんがどんな感想を持つのか気になる」と公開を心待ちにしている。(有野 博幸) 童顔でおなじみの瀬戸がひげを蓄え、ワイルドな雰囲気で古書店の店主を演じた。「すっきりとした好青年というパブリックイメージがあると思うので、役者として、新たな一面を見せられたかな」。実際の老舗古書店で撮影を行い、「建物が持つ独特のたたずまい。そこにいい意味で支配された」。 演じた多田は憧れの女性がいながら、常連客の女子高生に突然、求婚され戸惑う役どころ。それぞれの恋愛感情が入り交じり、カオス状態に。「お互いの気持ちを探り合っている時間があるので、沈黙とか静かな空気感を大切にしました。せりふ回しも、あえてハキハキせず、低めのトーンを心掛けました」。物語の展開はもちろん、劇中に流れる独特の空気感が作品の魅力だ。 R―15(15歳未満の入場・鑑賞が禁止)指定作品で濃厚なベッドシーンに初挑戦した。「リハーサルで城定監督と助監督が“ぬれ場”をやって見せてくれました。声も出しながら、生々しかった。恥ずかしさはあったけど、『監督がここまでやってくれたんだし、よろいを脱いでやろう』と思いっきりやりました」。不安もあったが、完成したシーンを試写で確認すると「初めてにしては意外とよくできた」と胸をなでおろした。 恋愛をテーマにしながらも「現代社会を象徴するような作品になっている」と感じている。「趣味が多様化しているけど、個々の感情が浮かび上がらず、べたっとして個性がない。物事に興味があっても、誰かがやるからいい…
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瀬戸康史、主演映画「愛なのに」で新境地を開拓
